ReLinkでは、現在進行中の企業との実証実験や研究活動を進めていくにあたり、建築部材のリユースを研究テーマとして論文を書こうとしている人や、新たなアイデアを形にする能力を持った学生を募集しています!
建築・建築史・データサイエンスまたはこれらに関連する分野で研究を行い、建築や資源循環、ビジネスに対する熱意を持っている方々と一緒に「研究活動」を行いたいと思っています。
ReLinkの今後の発展のために、共に突き進んでくれる方を募集しています。
ReLinkとは?
ReLinkとは、解体される建物から出る建築部材が、廃棄される前に回収・再利用することで、資源的価値だけでなくカタチのある価値を繋げていく”リユース”を促進するため、「解体材や素材のリユースポテンシャル調査」と、「解体材の販売・リユースデザインの実践」によって建材リユースのバリューチェーン・サプライチェーンの構築を目指すプロジェクトチームです。
中古建材販売店の情報を集約し、オンライン上でアクセス可能なプラットフォームを提供することからはじまり、今後は建築プロジェクトでリユース部材を利用するための技術ノウハウ等を支援し、モノを大切に使い続ける持続可能な建築生産に挑戦しています。
- 掲載メディア
- 「ビジネスから建築を変革する」新建築オンライン
- 「ヨーロッパで進む建築分野のリユース」建築とまちのぐるぐる資本論 論考4 LIXILビジネス情報
- 概要
- 資料1(ウェブサイト)
- ReLinkが運営するウェブプラットフォーム。中古建材販売店を検索できるサービスや情報発信を行う。
- 資料1(ウェブサイト)
- 資料2(記事):
「ビジネスから建築を変革する」新建築オンライン
佐竹雄太×本多栄亮×水越永貴- アラウンドアーキテクチャー佐竹雄太氏とReLinkとの縣談記事
- 資料3(記事):LIXIL ビジネス情報 | ヨーロッパで進む建築分野のリユース | 住まい・建築 | 建築・設計関連コラム (biz-lixil.com)
- ReLinkが参考にしているヨーロッパの先行事例を紹介している。
- 資料4(資料):
- 一般社団法人ASIBAの主催する「建築都市学生向けのインキュベーションプログラム」にて行われたReLinkのプレゼンテーション動画一部とスライド。
- 資料5(資料):
- Ba&Co×HEAD研究会の主催する2C向けスタートアップピッチ「Sprout」にて発表したピッチ資料。リユースデザインをデータベースとして活用することで、解体時にリユースの選択肢が生まれる可能性を示した。
現在のReLinkメンバーはこちら↓
ReLink リサーチチームの目標
- 環境問題への社会的関心が高まり、建築分野においても循環型への移行がもとめられるなか、建築部材のリユースは、解体業と建設業の分断や品質、経済性など複雑な問題に直面しています。これらの問題は実態調査と実践での可能性を探る研究を行っていく必要性を感じています。
これらを研究的側面から解決し、建築部材のリユースを実践していくためにReLinkではリサーチチームを強化します。私たちは、実践的調査を行いながら、卒業論文や修士論文を含む学術論文の執筆やそれらの学術誌への掲載を行っていくことを目指しています。建築部材のリユースがもつポテンシャルに焦点を当て、解体計画と建設計画を繋ぎ合わせる手法を開発し、バリューチェーン・サプライチェーンを構築するために必要な実践的リサーチ成果をつくることを目指します。 - 私たちのリサーチチームは、建築部材のリユースを研究テーマとして論文を書こうとしている人や、新たなアイデアを形にする能力を持った学生を募集しています。 建築、建築史、データサイエンスまたはこれらに関連する分野で研究を行い、建築や資源循環、ビジネスに対する熱意を持っている方々と一緒に「研究活動」を行いたいと思っています。
想定される活動内容
- 週1回の定例MTG(回数は各自の状況につき応相談)
- 実践調査
- 調査内容は定例MTGで確認しながら随時計画していきます。
- 古材を使ったリユースデザイン
応募はこちらから! ※応募いただいたのちメールにてご連絡いたします
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ReLinkのこれまで
こんにちは、ReLinkの代表の本多です。今回はリサーチチームの募集にあたって、ReLinkのこれまでのお話を簡単にさせていただきたいと思います。
近年、SDGsやサスティナブルといったキーワードが注目を集めるようになり、資源循環もまた重要視されるようになりました。建築分野でも資源循環について考えている人は多いと思います。
私は学部生時代に設計施工を行う学生団体で建設工事に関わっていました。私が最初に関わった工事が解体だったわけですが、そこで見た解体には、ハンマーで叩き割ったり、引き倒したり、重機で潰したり、モノが壊れていく姿がありました。Youtubeなんかを見ていても、モノを破壊する行為に抵抗感のある私にとっては、とても悲しいことであるようにも感じました。
そんななか、2019年、私は、2021年開催の門脇耕三先生がキュレーターをつとめたヴェネチアビエンナーレ日本館の展示計画を見て、解体した部材を新たに組み直し、新しい建物を生み出すデザインに憧れました。
リサイクルとは異なって、モノとしてのカタチを残したデザインのバリューチェーンの力に影響を受けた私は、2020年度の卒業設計で、BAMB(Building as Material Banks / 資材貯蔵庫としての建築)という考えを背景にした解体材をフリマアプリによって二次流通し、リユースによって組み立てられる建築像・地域象をスペキュラティブデザインとして示しました。
そこから卒業設計での解体部材の二次流通を実現したいという思いを引き継ぎ、実際にフリマアプリなどによって入手した建具と床板を利用したエントランスの施工も行いました。はじめてクライアントに喜んでもらえて嬉しかった一方で、建築において解体材をフリマアプリで入手・建設する際には、購入のタイミングや寸法・仕様などの詳細情報が入手できないなど、業務フロー的な分断とハードルが存在していることに気が付きました。
このプロジェクトやったときは、ヤフオクの入札〆切が基本設計が終わる前だったので、建主の方に「設計が決まってないんですけど、今日が入札〆切なんで買ってもらえませんか?」と電話でお願いして買ってもらうという普通ではあり得ないラッキーによって実現しています。「本当に使うんだよね?」と言われながら頑張りました。(笑)
私たちReLinkは、これらの課題を乗り越えていくことで、これまでの文化・アート活動に限られたリユースに市場性を見出し、モノを大切に使い続けていく社会の形成に繋げられると考えています。
しかし、そのためにはどのように解体から建設へと繋げる橋渡しをつくるのか、実態を掴みながら実践による調査を重ねていく必要があります。ReLinkリサーチチームは、実践によるリサーチを進め、バリューチェーン・サプライチェーンを構築するために必要な実践的調査成果をつくることを目指します。
これまでReLinkは既存の中古建材販売店が全国に多く存在していることを発見し、それらを一覧で検索できるようにしたウェブ検索プラットフォームを作成することから、建築部材のリユース業界についての理解を深めてきました。
また、ReLinkでは実践によるデザインリサーチも行っています。実際の解体現場から材料を回収・情報化・制作までのデザインを通した経験から得られる情報も重要です。
今後はこれらに加え、企業との実証実験や研究活動を進めていきます。建築部材のリユースや解体などに興味があれば、一緒にリサーチができるとうれしいです。みなさま、どうかご協力お願いいたします。
本多栄亮(ほんだ・えいすけ)
1997年生まれ。修士(工学)。明治大学理工学部建築学科助手。明治大学大学院理工学研究科博士後期課程2年。
2023年、水越永貴・杉野喬生と共にReLinkを創設、代表。2019-2020年に学生による設計施工を行う学生団体DaBoの共同代表を務める。卒業設計では赤れんが卒業設計展2021で佳作を受賞。古材を利用した設計などを行う2人組設計チームLinゝメンバー。研究者として建材リユースの流通に関する研究を行う。