TAKE – MAKE – WASTE
“[…] we live in a world where we globally use almost double the amount of resources earth is able to regenerate. And yet, our consumption keeps rising.”
(Lendager & Pedersen, 2020)
地球の表面は有限です。私たちはその有限の中から物質を借りて、移動させて建物や家具や衣服やら何かしらのモノをつくっています。そして現在その多くは目的を果たすと、破壊され廃棄物になります。地球が有限であると強く認識するなら、こうした一方通行的な直線的なシステムではなく、(破壊解体ではなく、)その移動された物質を資源として捉えなおすことが重要なのではないでしょうか。
例えば以前書いたスポリアでは、建っている物質をみてコストやら環境やら人間の欲望やら様々な感情が入り混じる「あれが欲しい。」という思いによって、柱をはじめとするモノが資材化しました。その際、接合部を中心に再加工されますが、地球上にあった物質はスポリア行為によって再移動し新たな意味や価値をもたらしました。
また、山本大介氏による「beautiful people SHIBUYA」のように計画当初から再資材化・再移動化を前提にデザインされたものも出てきています。
物質が再移動するために・資源として捉えられるために、私たちはそのモノを魅力的にデザインしていかなければなりません。
たまにリユース材やリサイクル材をコスト削減のために、といったことも聞きますが、多くはそんなことないように思います。(工夫のもと成立しているものもありますしそうしていきたい。)より丁寧に解体や加工が必要、エンジニアやより時間が必要になることもあることから高くなってしまうことのほうが多いような気がします。
なので、CO2排出量を明記したりする環境への意識なのか、愛着さや古めかしいといった時間への意識なのか、デザインが格好いい・かわいい・面白いなどその物質形態がもつ意味なのか様々ありますが、その物質が魅力的であると気づかせてあげることが必要です。
前置き長くなってしまいましたが、この投稿文を書こうとおもった本題の内容に触れていきます。
先ほど触れた壊して捨てるという直線的システムから、循環的システムへ移行していきましょう、というのを最近(実際はかなり前からですね)よく聞きます。私も先日、環境意識からこの循環システムをどう考えていったほうが良いかを改めて知ったので紹介していきます。それは「Circular processing ladder」という考え方です。
「Circular processing ladder」はオランダアムステルダムが2020年に発表した「サーキュラーエコノミー2020-2025戦略」のなかで用いられました。これまでの3Rという考えから10段階に細分化しているものになります。つまり、10段階に細分化することで設計・消費・処理の各段階でできることがわかり、都度判断していく、これが重要なことだよねと教えてくれるものです。

設計
R0 拒否REFUSE
R1 再考RETHINK
R2 削減REDUCE
消費
R3 再利用REUSE
R4 修理・保守REPAIR
R5 刷新REFURBISH
R6 再製造REMANUFACTURE
R7 再利用REPURPOSE
処理
R8 リサイクルRECYCLE
R9 エネルギー回収RECOVER
資源の価値を高く保つことからプロジェクト初期の段階から取り組むことが重要なので、R0→R9という順番で優先されます。
リサイクルは建物でも内装でも数多く見かけますが、処理されたあとつまり、再加工する際にモノを破壊してその原料を取り出すため元のカタチは失われ、それ以上捉え直すことのできない状態になってしまいます。循環の流れはここで終了してしまい、また先ほど触れたカタチとしての認識が出来なくなります。(型から新しい形に入ったともいえなくはないのか。)
私たちはもっとこの消費段階の中にふみこみたい。
そのためにこの10段階の中でどんなことが各プロジェクトでできるのかをしっかりと判断したい。
そして、そこで様々なモノ・物質は魅力的であると最大限気づかせたい。
最後に、循環を考えるときもっと時間のスケールであったり各物質によった考えであったりをこれからもしていきたい。
ReLink / 渡会