こんにちは、本多です。
研究室に転がっていたこの木片は、どういう存在なのだろうと、、、最近、ふと気になりました。
この木片は、自分が研究のご指導いただいている門脇耕三先生が2021年のベネチアビエンナーレでの展示の際に利用した高見澤邸の柱の木片です。
高見澤邸は、戦後まもない1954年に新築され、その後4回の増改築を繰り返したのちに2019年に解体されました。そして、その建築材料は2021年にリユースされ、ベネチアビエンナーレの展示として利用され、現在ではノルウェーのオスロで公民館の材料として利用されることになりました。
この木材には「1F」と書かれていますが、もしかすると平屋だった新築当初の柱材かもしれません。戦後から現在に至るまでの日本をずっと眺めてきたのかなと思いを馳せると、なんとも素敵です。
この木を切ったきこりさんもいたのでしょうか。きこりさんがいて、製材した人がいて、建物をつくった人がいて、住んでいた人がいて。
アルファベットで書かれた1Fは、ビエンナーレで展示利用する際の記録として書かれたのではないかと思いますが、これも歴史の上にある今の痕跡なのかな。
この木片の今をきこりさんは想像していなかっただろうし、今こんなになってますよ!って伝えてみたいと思ったりします。笑
この木片が研究室に来てからは3年が経ち、幾度となく研究室の大掃除を乗り越え、捨てられずに残ってきたわけですが、研究室の学生にとって、今後この木片はどんな存在になっていくのか、ひそかに楽しみにしてます。
本多栄亮/ReLink